本日晴天。敬老の日にて、なんと大好きなお仕事はお休み。普通の企業みたいでテンション上がる。そんでもって、オレがやってきたのは、そう。
「ボウリングだー!」
しかも貸し切りである。何故かって、今日は芸能界運動部の活動日だからだ。
集合時間の三時間前に乗り込んで、レーンの調子や、関係者以外の立ち入りに注意して欲しいだとか、そういった細々したことを場内のスタッフさんと話し合う。雑務は全部オレのしごと。というか、運動部に関しては全てオレの管轄だ。理由は単純、楽しいから。みんなでわいわい集まって、めいっぱい体動かして、終わったあとに居酒屋に乗り込むんで乾杯! それを企画し完遂する喜び。想像しただけでワクワクが止まらなかった。
のに。
ここに一人、とてつもなくローテンションな人がひとり。
「ユ〜〜キ〜〜。どろどろのオーラ出ちゃってるよ〜?」
「……こんなに朝早いなんて、聞いてない」
「早いって言っても今9時だけどね? 普通に健康的な時間じゃない?」
「僕は収録が押して、今朝の5時に寝たんだ……」
「無理してこなくてもいいよって言ったのに」
ボールラックの傍の椅子に腰掛けて、項垂れながらコーヒーを啜る姿は、超イケメンだ。目の下に隈があろうとも、ユキの美貌には一切関係がない。なんなら憂いを帯びていてちょっとエロい。
ユキの恨み言は続く。
「折角休みが被ってたっていうのにモモは運動部最優先だし、譲歩に譲歩を重ねてここまで一緒に来た僕の努力を無碍にするの?」
「あ、口が回るようになってきた。目ぇ覚めた?」
「……モモ。おまえ、わざと言ったな……」
「えへ。ごめんごめん! だってユキが行くって言ってくれて、ちょ〜嬉しかったんだもん!」
「来なくていいって言ったくせに」
「来てくれるって分かってたからね♡」
椅子に腰掛けて、キャッとはしゃぎながらユキの肩に頭を乗せる。その上に、ユキの頭がゴツンと乗った。不機嫌の証明なのに、それすら嬉しすぎて頬が緩んだ。
オレのスーパーダーリンは、オレと遊びたすぎて今からみんなとボウリングをしちゃうのだ。嬉しいの自乗。最高の休日。今日は絶対、同じ家に帰ろうね。