うわー今日セックスしたいなーって日が、びっくりするぐらいユキと被る。あんまり被るので、じゃあオレらでセックスしちゃおっかって話になった。馬鹿だと思う? 馬鹿なんですよ。芸能界という荒波に揉まれすぎだろってね。でもまあ、下手に女の子相手にするより、安全だし。オレたち二人でどっちかの家に帰ったって、だ〜れも気にしないし。
で、男同士のセックスって結構手間で、特にオレなんて超手間。だからオーラルで済ませることも全然ある。舐めるのはオレの方が多分うまい。何故ならユキより口が大きいし、気をつけてもちょっと当たっちゃう犬歯がなかなかいい働きをするから。ユキの方が疲れ果ててる時は、目の前で自分でシてるところ見せてあげたりもして、それも結構喜ばれる。相方の前でオナニー。こういう時、オレは決してファンモードにならないようにしている。正気になったら負けだし、そもそも性欲を発散するためにしてることで、真面目に考えたら即、試合終了だ。
で、じゃあ今日もオーラルなのかって話なんだけど、まさかそんなわけもなく。起きた瞬間に「セックスしたい」の七文字に全てを支配されてるオレは、朝からしっかり準備済みだ。ユキの家でシャワーを浴びて、そのタイミングでちょっと洗えば準備万端。ユキは既にベッドの上で待っていて、駆け寄るようにダイブしてユキの上に乗っかった。
顔が近かったからキスして、舌入れて、顎舐めたり、耳舐められたり、鎖骨噛んだり、頭撫でられたり。弱いところに触られた時、あ、ってちょっと媚びるような声が出るのも、いい。オレって、こんな声出ちゃうんだ。ユキが出させてんだよ、これ。みたいな。分かってる? ユキ。
セックス中のユキは寡黙で、冗談のひとつも言わない。やけに、真剣な眼差し。優しい手付きで背中を撫でられて、なるほどユキってこんな大事そうに誰かを抱くんだなぁと実感する。不思議と、心臓の奥がきゅっと縮まった。
脚を開かれ、内腿をくすぐるように舌で嬲られる。たまらず息が上がる。ユキが顔を上げて、ふ、と笑う。それからいよいよ腰を入れられて、あぅっ、って声が漏れて、唇を噛みかけたところで、二本指が突っ込まれた。上顎を軽く擽られてから、指が抜けた代わりに、キスされた。
愛おしげに光る瞳を覗き込んでいると、正気になりそうで困る。だってさあ。セックスしたいなーって日、こんなに被ること、ある?
頭の中で試合終了のブザーが鳴りかけて、意地で止めた。
こんなん、オレじゃなかったら、好きになってるね。絶対。